『嫌われる勇気』レビュー|66歳から「自分の人生」を取り戻す哲学的旅

静かな本音~本の中に

退職後の自由な時間の中でふと考えるようになった「これからの人生をどう生きるか」。
そんな自分に刺さった一冊が、アドラー心理学をわかりやすく伝える本書『嫌われる勇気』でした。

自分のために生きるとは何か?

これまで、家族のため、職場のため、他人の期待に応えるように生きてきた人生。
それは意味のある、誇り高い人生だったと思います。

でも、こんな疑問も湧いてきます。
「私は誰のために生きてきたのだろうか?」
「これからは、どう生きるべきだろうか?」


そんな時に手に取ったのがこの本でした。

アドラー心理学と「課題の分離」

この本は、青年と哲学者の対話形式で進みます。テーマは「どうすれば人は幸せに生きられるか」。

アドラー心理学の要点は次の一言に凝縮されています。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」

その悩みから解放されるカギとなるのが、「課題の分離」。

✔ 自分が何を考え、どう行動するか → 自分の課題
✔ 他人がどう受け止めるか → 他人の課題

この線引きができるようになると、不思議と心が軽くなっていきます。

心に残った言葉たち

読書中に、特に印象に残った言葉を紹介します。

✅ 「他者の期待に応えるために生きてはいけない」
✅ 「承認欲求を捨てること。それが自由の第一歩だ」

「いい人」「期待通りの父親・上司・同僚」として生きてきた自分に、鋭く刺さる言葉でした。

「変われない」のではなく「変わらないと決めている」

「人は変われないのではない。変わらないという決断をしているだけだ」

この一文に、目が覚める思いがしました。
本当は変わりたい。でも、失敗や孤立が怖くて、自分を変えないようにしていた──そう気づきました。

66歳からの「嫌われる勇気」

年齢を重ねた今だからこそ、この本のメッセージが心に染みました。

✔ 無理に合わせなくていい
✔ 理解されなくても気にしない
✔ 自分の価値観で生きていい

人生の後半は、他人の目ではなく、自分の内なる声に耳を澄ませて生きるべき
そう思えるようになったことが、本書から得た最大の収穫です。

あなたは誰の人生を生きていますか?

私たちはつい、家族のため、社会のために生きてしまいます。
それはとても尊いこと。ですが、“自分の人生”を生きる勇気も大切です。

いま、あなたは誰の期待に応えて生きていますか?
あなた自身の「心の声」に、きちんと耳を傾けていますか?

『嫌われる勇気』は、自分を取り戻す第一歩の書

本書のタイトルは一見、挑発的に思えますが、実際はとても温かい本です。

「嫌われることを恐れない」=「自分を偽らない」

それは、他人と誠実に向き合うための土台でもあります。
退職後の人生、自分らしく自由に生きたいと思っている方に、心からおすすめしたい一冊です。

📚 書籍情報
『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
著:岸見一郎・古賀史健(ダイヤモンド社)
※本記事は読者としての感想と体験に基づき構成しています。

次回予告

次回は、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)──100年時代の人生戦略』のレビューをお届け予定です。
100年時代の人生をどう再設計するか、世界中で読まれている話題作です。お楽しみに!

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