転んでも、また立ち上がる?
Q:日本のことわざ「七転び八起き」の“八”は、何を意味しているでしょう?
A:
- 転んだ回数より1回多く立ち上がること
- 幸運の数字「八」にあやかった語呂合わせ
- 実は語源は中国の古典に由来している
答えは、記事の中で。
【序】── 何度も転んだ先に見えるもの
60代後半の男性が、久しぶりにアルバムを開いた。そこには、若いころの彼が、夢を追って走っていた日々が並んでいた。
スポーツで大怪我をしたこと。 会社を立ち上げて失敗したこと。 子育てで思い悩んだこと。
“七転び八起き”──その言葉を、若いころは「根性論」のように感じていた。
でも今は違う。
その言葉に、深い“優しさ”を感じるようになった。
【破】── 「起き上がる力」ではなく、「転んでいい」を許す言葉
人生には、立ち上がる気力すら持てない日もある。 体力、気力、そして心の元気も減っていく。
そんなときに「七転び八起き」と言われても、 「そんなに頑張れないよ」と思ってしまうかもしれない。
けれど実はこの言葉、 “何度転んでも、それで終わりじゃない” “立ち上がった数だけでいい” という“やさしい励まし”なのだ。
失敗や挫折に寛容になる。 自分を責めすぎず、「また明日」と言える。
それがこの言葉の持つ、本当の力。
【急】── この歳になって、やっと気づけた
70歳を超えた今、彼はようやく“八起き”の意味が分かってきた。
起き上がる回数が多い人が偉いのではない。 転んでも「もう一度だけ立ってみよう」と思える、その一歩。
誰かに支えられてもいい。 手を貸してもらってもいい。 時間がかかってもいい。
そうして立ち上がったその瞬間、 人生はまた、動き出すのだ。
あとがき── この言葉が、今日の杖になるように
七転び八起き
この言葉は、 転ぶことを否定する言葉ではない。
むしろ、転ぶことを前提にしている。
そして、 「転んでもいいよ」 「またゆっくり起きればいいよ」 と語りかけてくれる。
今、少し心が疲れているあなたへ。 この言葉が、そっと寄り添い、 明日を迎えるための小さな“杖”になりますように。
──人生の後半だからこそ、言葉が沁みる。