その不調、食べ物が原因かも?──『四毒抜きのすすめ』で始めるシニアの健康革命

静かな本音~本の中に

はじめに──「四毒」って何?

ある日、友人にすすめられて手に取ったのが、この『四毒抜きのすすめ』という本でした。
タイトルを見た瞬間、「なんだか極端な内容かな?」というのが正直な第一印象。
でも読み進めてみると、単なる健康本とは一線を画す、著者の深い愛と警鐘が込められた一冊でした。

この本でいう“四毒”とは、小麦・植物油・乳製品・甘いもの。
現代人の食生活に根深く入り込んでいるこれらが、実はじわじわと体をむしばんでいる──そんな警告から物語は始まります。


どうして私たちは「毒」を食べているのか

著者の吉野敏明さんは、歯科医師であり、医学・栄養・農業にも精通した異色の人物。
その視点は非常に多角的で、科学的根拠と共に私たちの「食の常識」を次々と覆していきます。

たとえば「小麦」。
パンやうどん、ラーメン、パスタ…私たち日本人の食卓にあまりにも自然に並ぶこの食材が、腸を荒らし、慢性炎症を引き起こしているかもしれない。
「植物油」も、健康にいいと信じられていたのは昔の話。高温調理で酸化し、体内に活性酸素を生む“毒”になってしまうとのこと。
「乳製品」や「砂糖」の話もまた然り。どれも「当たり前」に摂っていたものが、実は…と読みながら驚かされる連続でした。


著者・吉野敏明さんの思い

吉野さんは、本書の中で何度も「自分がこの話をする理由」に触れています。
それは、ただ健康のため、長生きのためというよりも、“人生を悔いなく生きるため”の食選びをしてほしい、という思い。

医師として、数多くの患者と向き合ってきた経験から、「体は口から作られる」と確信した吉野さん。
薬や手術で何とかしようとする前に、まず“食を変える”ことが本当に大切なんだという信念が、本書の隅々にまで染み渡っています。


四毒が体に与える影響とは

本書では、それぞれの「毒」がどのように体に悪さをするのかを、詳しく解説しています。

  • 小麦(特にグルテン):腸を傷つけ、リーキーガット症候群やアレルギーの原因に。
  • 植物油(特にサラダ油やキャノーラ油):酸化しやすく、動脈硬化や炎症を引き起こす。
  • 乳製品(特に牛乳):乳糖不耐症のリスク、ホルモンバランスの乱れ。
  • 甘いもの(精製された砂糖):血糖値の乱高下、肥満、糖尿病リスクの増大。

読んでいると、「ああ、これ全部、日常的に摂っているなぁ」と自分の食生活を振り返らずにはいられませんでした。


「抜く」生活で見えてきた希望

とはいえ、「全部やめるなんて無理だよ!」というのが多くの人の本音だと思います。
でも本書では、ストイックな我慢を求めるのではなく、「できることから、少しずつ」という柔らかい提案がされています。

  • ご飯をパンから玄米に替えてみる
  • 揚げ物を減らし、オリーブオイルやごま油にしてみる
  • 牛乳の代わりに豆乳を試してみる
  • お菓子をやめるのではなく、果物やナッツに置き換えてみる

こうした小さな実践が、体と心の軽やかさを取り戻していく──それは著者自身の体験でもあり、読者にとっても希望になるはずです。


シニア世代にこそ届いてほしい一冊

この本を読んで強く思ったのは、「今からでも遅くない」ということ。
私自身、60代に入り、食生活も昔とはずいぶん変わりました。でもまだ間に合うし、むしろ今だからこそ「食を見直す意味」があると感じました。

年齢を重ねるほど、「疲れやすい」「体が重い」「眠りが浅い」といった悩みが増えてきます。
それを“年のせい”と諦める前に、「四毒抜き」という視点で食事を見直してみると、思いがけない変化があるかもしれません。


まとめ──あなたの人生をもっと軽やかに

『四毒抜きのすすめ』は、単なる食事制限の本ではありません。
これは、体と心を整え、人生をよりよく生きるための“食との向き合い方”を教えてくれる一冊です。

食べることは、生きることそのもの。
だからこそ、何を口にするかは、「どう生きたいか」とつながっています。
この本を通して、自分の体をもっと大切にしたくなりました。

今からでも遅くない。小さな一歩から、「四毒抜き」の暮らしを始めてみませんか?

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