誰にでも、初めて「これは自分の得意料理だ」と言えるようになった一品がある。何度も失敗して、やっと成功した時の喜び。初めての得意料理には、特別な思い出が詰まっている。料理と共に育まれた記憶について考えてみたい。
料理を始めたばかりの頃って、本当に何もできなかったな。包丁の持ち方もぎこちなくて、調味料の分量も適当。失敗ばかりで、自分で作ったものなのに「うまく食べられない」なんてことも。でも、そんな中で何度も作って、ようやく「これならいける！」って思えるようになった料理。それが、自分にとっての最初の得意料理になった。2025年の調査を見ると、得意料理のランキング上位には「カレー」「唐揚げ」「ハンバーグ」「生姜焼き」といった家庭料理の定番が並んでいる。誰もが最初に挑戦して、試行錯誤しながら自分のものにしていく料理たちだ。シンプルだからこそ、作り手の個性が出る料理なんだよね。
自分の場合は、カレーだった。「市販のルーを使うから得意料理とは言えない」なんて意見もあるけど、初めて家族に「おいしい！」って言ってもらえた時の嬉しさは今でも忘れられない。隠し味に何を入れるか、野菜の切り方、煮込む時間。同じルーを使っても、作る人によって全然違う味になる。何度も作るうちに、自分なりのコツが見えてくる。もっと玉ねぎを炒めた方が甘みが出る、肉は最初に焼いておいた方がいい、最後にちょっとソースを足すとコクが出る。そういう小さな発見の積み重ねが、その料理を「得意」にしていく。
初めて得意料理ができた時の達成感って、すごく大きい。それまでは「料理苦手だし」って思っていたのに、「これだけは自信ある」って言えるものができた。家族や友達に「また作って」って言われる喜び。自分が作ったもので誰かが喜んでくれる体験は、料理を続ける原動力になった。料理は、相手への気持ちを伝える手段でもあるんだなって、その時初めて実感した。
面白いのは、得意料理って「完璧に作れる」料理じゃなくて、「何度も作っている」料理なんだよね。2025年の調査でも「本当に得意」と答えたのは13.3%で、多くの人が「得意でないができる」と答えている。でもそれでいいと思う。完璧じゃなくても、その料理に愛着があって、作り続けている。それが得意料理の本質だと思うんだ。レシピ通りじゃなくても、自分なりのアレンジがあって、食べる人の好みに合わせて調整できる。そういう柔軟性が、料理を「自分のもの」にしていく。
初めての得意料理は、料理との関係を変えてくれた。それまでは「やらなきゃいけないこと」だった料理が、「楽しいこと」に変わった。一つできると、次はあれも作ってみたい、これも挑戦したいって気持ちが湧いてくる。得意料理が増えていくたびに、料理の世界が広がっていく。でも、最初の一品は特別だ。あの達成感があったから、今も料理を続けている。失敗を繰り返しながらも諦めずに作り続けて、ようやく「できた！」って思えた瞬間。あの感動は、何度味わっても色褪せない。
得意料理って、実は作る過程の記憶も一緒に詰まっているんだよね。初めて成功した日のこと、失敗して焦げさせた時のこと、誰かに褒められて嬉しかった時のこと。食べる度に、そういう思い出が蘇ってくる。だから得意料理は、単なる料理以上の意味を持つようになる。自分の成長の証であり、大切な人とのつながりの象徴でもある。
あなたが初めて「得意料理」と言えるようになった一品は何ですか?その料理にはどんな思い出がありますか?
