春一番が吹く日、空気が変わる。冬の冷たさが和らぎ、暖かい風が新しい季節の訪れを告げる。春一番は、新しい始まりの予感を運んでくる。季節の変わり目について考えてみたい。
春一番とは、立春(2月4日頃)から春分(3月20日頃)までの間に、その年で初めて吹く南寄りの強い風のことだ。2025年は北陸地方で2月3日に観測史上最も早い春一番が発表された。関東では2015年以来10年ぶりに春一番のない春となったが、全国各地で春の訪れを告げる風が吹いた。春一番が吹くと、気温がぐっと上がることが多く、「あぁ、もうすぐ春なんだな〜」と実感する。冬の寒さがゆるみ、暖かくなる嬉しさ。それが、春一番がもたらす最大の贈り物だ。
春一番という言葉の由来は、江戸時代にさかのぼる。春の初めの強い南風を「春一」と呼んでいる地域があり、1859年2月15日に現在の長崎県郷ノ浦で「春一」の突風によって漁船が転覆する事故があり、その時に「春一番」という言葉が生まれたと言われている。1963年2月15日に朝日新聞で初めて使われ、1985年からは気象庁が公式に発表を行うようになった。春一番は、単なる気象現象ではなく、春の訪れを告げる文化的な意味を持つ言葉なのだ。
春一番が吹く日、何かが変わる予感がする。新しい季節の始まり、新しい出会い、新しい挑戦。春は、多くの人にとって「スタート」の季節だ。入学、入社、新学期。日本では、春は特別な意味を持つ。春一番は、そうした新しい始まりを後押ししてくれる風のように感じられる。冬の間、じっと耐えていた心が、春一番とともに動き出す。何かを始めたくなる。前に進みたくなる。そんな気持ちが、自然と湧いてくる。
ただし、春一番には注意も必要だ。風が強いと洗濯物が飛ばされたり、花粉が一気に舞ったりする。防災上も、強風・乾燥・なだれなどに気をつけなければならない。気象予報士が春に注意したいポイントとして「春の4K」(すべて頭文字がK)を挙げている。強風、乾燥、花粉、気温差。春の訪れは喜ばしいが、同時に備えも必要だ。しかし、そうした注意を払いながらも、春一番が運んでくる温かさと希望を、素直に受け取りたい。
あなたは春一番を感じたことがありますか?その時、どんな新しい始まりを予感しましたか?




