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【森本敏】民間初の防衛大臣が語る日本の安全保障

赤ちゃんと子犬 保守政治と国家を論じる著者たち
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航空自衛官から外交官、そして民間初の防衛大臣へ。一貫して日本の安全保障の最前線を歩み続けてきた専門家がいます。拓殖大学顧問の森本敏氏は、2012年に第11代防衛大臣として初入閣を果たし、普天間基地問題や日米同盟の課題に真摯に向き合いました。

防衛大学校を卒業後、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で学び、外務省で安全保障政策室長を務めた森本氏。野村総研時代から拓殖大学総長まで、実務と研究の両面から日本の防衛を支え続けてきました。

テレビ番組「朝まで生テレビ!」でも長年論客として活躍し、わかりやすい解説で国民に安全保障の重要性を伝えてきた森本氏の人生と思想を辿ります。


著者の基本情報

  • 氏名(ふりがな): 森本敏(もりもと さとし)
  • 生年月日: 1941年3月15日
  • 学歴: 防衛大学校本科電気工学専攻第9期卒業、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程修了
  • 経歴: 1965年防衛大学校卒業後航空自衛隊入隊、1977年外務省アメリカ局安全保障課出向、1979年航空自衛隊退官(3等空佐)・外務省入省、在ナイジェリア日本国大使館参事官、情報調査局安全保障政策室長、領事移住政策課長等を歴任、1992年外務省退官、野村総合研究所主席研究員(2001年まで)、2000年拓殖大学国際学部教授、2005年拓殖大学海外事情研究所所長兼大学院教授、2009年初代防衛大臣補佐官、2012年第11代防衛大臣、2015-2018年防衛大臣政策参与、2016-2021年拓殖大学総長
  • 現職: 拓殖大学顧問・名誉教授、一般社団法人日本宇宙安全保障研究所会長
  • 専門: 安全保障、軍備管理、防衛問題、国際政治、日米同盟、エネルギー安全保障
  • 紹介文: 東京都出身。一貫して安全保障の実務と研究を担当。2004年正論大賞受賞。2012年メガネベストドレッサー賞受賞。「朝まで生テレビ!」「報道1930」「プライムニュース」など多数のテレビ番組に安全保障専門家として出演。著書多数で、最新刊は『ウクライナ戦争と激変する国際秩序』(2022年)、『台湾有事のシナリオ』(2022年)など。

航空自衛官から外交官へ 安全保障一筋の人生

森本氏の人生は、まさに日本の安全保障とともにありました。1941年、東京で生まれた森本氏は、防衛大学校電気工学専攻を卒業後、航空自衛隊に入隊しました。しかし1977年、外務省アメリカ局安全保障課に出向し、その2年後に正式に外務省に入省。航空自衛官から外交官への転身は、森本氏の人生の大きな転機となりました。

外務省では、在米日本国大使館一等書記官として日米安全保障の実務に携わり、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院で修士号を取得。帰国後は情報調査局安全保障政策室長として、冷戦末期から冷戦後の激動期における日本の安全保障政策の形成に深く関わりました。

1992年に外務省を退官した後も、野村総合研究所主席研究員として研究を続け、慶應義塾大学、中央大学、政策研究大学院大学、聖心女子大学などで教鞭を執りました。2000年からは拓殖大学に所属し、2016年から2021年まで同大学総長を務めるなど、後進の育成にも力を注ぎました。

森本氏の強みは、実務経験と学術研究の両方を兼ね備えていることです。現場を知る官僚と、理論を深める研究者。この二つの視点を持つからこそ、森本氏の言葉には説得力があり、多くの人々に「わかる!」という納得感を与えてきたのです。


民間初の防衛大臣として挑んだ課題

2012年6月、森本氏は野田第2次改造内閣で第11代防衛大臣に就任しました。民間人が防衛担当閣僚に就任するのは、前身の防衛庁時代を含めても初めてのことでした。自民党の石破茂氏は「森本先生は第一人者。人格も立派」と評価し、共同通信社の世論調査では60.5%が「評価する」と回答しました。

防衛大臣として、森本氏が直面した最大の課題の一つが、普天間基地問題でした。この問題について、森本氏は率直な見解を示しました。「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると沖縄が最適の地域である」。この発言は物議を醸しましたが、森本氏の真意は別のところにありました。

米軍基地が沖縄に集中している現状は、決して軍事的・地政学的な理由だけではない。むしろ、日本本土の政治的な受け入れ態勢がないために、沖縄に負担を強いている。この厳しい現実を、森本氏は正直に語ったのです。批判を恐れず真実を語る。その姿勢には、安全保障専門家としての矜持が感じられます。

また、2012年8月の李明博大統領の竹島訪問についての発言では、「韓国の内政上からくる要請によるもの」と述べ、一時は誤報により騒動となりましたが、真意が明らかになると騒動は終息しました。森本氏は常に冷静な分析を心がけていたのです。


台湾有事とウクライナ戦争 現代の安全保障課題

防衛大臣退任後も、森本氏の活動は止まりませんでした。特に近年力を入れているのが、台湾情勢の分析です。2022年1月に出版した『台湾有事のシナリオ』では、米国ヘリテージ財団との共同研究を基に、台湾をめぐる軍事衝突のシナリオを詳細に描き出しました。

米中の戦略的競争が激化する中、台湾は最大のホットポイントです。もし台湾海峡で軍事衝突が起きれば、日本はどのような判断を迫られるのか。南西諸島の防衛はどうするのか。日米共同作戦はどうあるべきか。森本氏は、これらの難しい問題を正面から論じました。

また、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻は、世界に衝撃を与えました。森本氏は同年11月に『ウクライナ戦争と激変する国際秩序』を編著として出版し、この歴史的事件が国際秩序に与える影響を多角的に分析しました。

ウクライナ戦争が明らかにしたのは、力による現状変更がまだ起こりうるという厳しい現実です。そして、核兵器を持たない国がいかに脆弱であるか。こうした教訓を、日本の安全保障にどう活かすべきなのか。森本氏の問いかけは、私たち一人ひとりに向けられています。

2026年現在、米中対立は深化し、トランプ政権の新たな外交政策が展開されています。こうした激動の時代だからこそ、森本氏のような実務と理論を兼ね備えた専門家の声が重要なのです。


テレビと講演で国民と対話する

森本氏の大きな特徴の一つが、専門知識を国民にわかりやすく伝える努力を惜しまないことです。テレビ朝日の「朝まで生テレビ!」には長年出演し、安全保障問題を多角的に論じてきました。また、BS-TBS「報道1930」、BSフジ「プライムニュース」、BS日テレ「深層ニュース」など、多数の番組に安全保障専門家として出演しています。

森本氏の解説の特徴は、難しい専門用語を使わず、具体例を交えながら丁寧に説明することです。「個別的自衛権と集団的自衛権の違いとは何か」「安保法制で何が変わったのか」「日本を取り巻く国際情勢はどうなっているのか」。こうした疑問に、森本氏は一つひとつ答えてきました。

また、全国各地で講演活動を行い、経済産業省、外務省、防衛省、日本記者クラブ、全国市議会議長会基地協議会など、様々な場所で日本の安全保障について語ってきました。月刊誌『政経往来』には「新国際問題と日本の選択」を連載中で、最新の国際情勢を継続的に発信しています。

メガネをかけた温厚な風貌と、わかりやすい語り口。森本氏の姿は、「安全保障は難しい」と思っていた多くの国民に、この問題の重要性を伝えてきました。専門家であると同時に、優れたコミュニケーターでもある。それが森本敏氏なのです。


この先に進む前に、ほんの一息


森本敏の人生観と使命感

森本氏の人生観を象徴するのが、「実務と研究の両立」という姿勢です。航空自衛官として現場を経験し、外交官として政策立案に携わり、研究者として理論を深め、そして防衛大臣として最終的な責任を負う。この多様な経験が、森本氏の視野を広げました。

また、森本氏は日米同盟の重要性を一貫して説いてきました。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)についても、「日本のTPP参加は日米同盟の選択を意味する」として、日米同盟を堅持するならば参加しない選択肢はないとの見解を述べています。これは、経済と安全保障を切り離して考えることはできないという、森本氏の信念の表れです。

2018年には日本宇宙安全保障研究所の会長に就任し、宇宙空間における安全保障という新たな領域にも取り組んでいます。宇宙は今や、安全保障の重要な舞台となっています。衛星を使った通信、偵察、測位。これらが妨害されれば、現代の軍事行動は成り立ちません。森本氏は、常に時代の先を見据えているのです。

80代となった今も、森本氏の活動は衰えることを知りません。拓殖大学顧問として後進を指導し、講演やメディア出演を通じて国民に語りかけ続けています。日本の安全を守るために、自分ができることを最後までやり遂げる。そんな使命感が感じられます。


代表書籍紹介

1. 『ウクライナ戦争と激変する国際秩序』(並木書房、2022年)

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、同年11月に緊急出版された編著です。この歴史的事件が国際秩序に与える影響を、安全保障の専門家たちが多角的に分析しています。力による現状変更がまだ起こりうるという厳しい現実と、日本が学ぶべき教訓を明らかにした重要な著作です。

2. 『台湾有事のシナリオ 日本の安全保障を検証する』(ミネルヴァ書房、2022年)

米国ヘリテージ財団との共同研究を基に、台湾をめぐる軍事衝突のシナリオを詳細に描いた著作です。日本が直面するであろう課題について、豊富な実務経験と研究経験を持つ執筆陣が最新の知見を提供しています。台湾情勢が緊迫化する現在、必読の書といえます。

3. 『図説 ゼロからわかる 日本の安全保障』(実務教育出版、2016年)

安保法制と安全保障の論点をわかりやすく解説した入門書です。個別的自衛権と集団的自衛権の違い、日本の安全保障体制の成り立ち、日本を取り巻く国際情勢など、基礎から丁寧に説明しています。豊富な図説や資料、用語集も掲載され、教科書的な内容ながら偏りなく解説されている良書です。

4. 『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房、2020年、共著)

ミサイル技術の進化と軍拡競争の実態を分析し、日本の防衛政策への示唆を示した著作です。北朝鮮の弾道ミサイル、中国の極超音速兵器、ロシアの新型ミサイルなど、最新の軍事技術動向を踏まえて、日本がとるべき対策を論じています。専門的でありながらも、わかりやすい解説が特徴です。

5. 『普天間の謎 基地返還問題迷走15年の総て』(海竜社、2010年)

普天間基地返還問題がなぜ15年も迷走してきたのか、その全貌を明らかにした著作です。日米交渉の舞台裏、沖縄の負担、本土の無理解。複雑に絡み合う問題を、森本氏は実務経験者ならではの視点で解き明かしています。普天間問題を理解するための必読書です。


まとめ 安全保障を国民のものに

森本敏氏の人生と活動は、安全保障を一部の専門家だけのものではなく、国民全体のものにすることの大切さを教えてくれます。航空自衛官、外交官、研究者、防衛大臣。多様な経験を積み重ねながら、一貫して日本の安全を守ることに尽力してきました。

2026年現在、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。台湾海峡の緊張、北朝鮮のミサイル開発、ロシアの軍事行動、米中対立の深化。私たちは、かつてない複雑な国際情勢の中で生きています。そんな時代だからこそ、森本氏のような実務と理論を兼ね備えた専門家の声が重要なのです。

安全保障は難しい。しかし、理解しようと努力することはできる。森本氏が長年にわたってテレビや講演で語り続けてきたのは、この思いからでした。専門用語を避け、具体例を交え、丁寧に説明する。その姿勢には、国民一人ひとりに安全保障の重要性を理解してもらいたいという温かな思いが感じられます。

民間初の防衛大臣として、普天間問題という難題に真摯に向き合った森本氏。その経験は、政治家でも官僚でもない、第三者的な視点の重要性を示しています。しがらみなく、専門家としての良心に従って判断する。そんな姿勢が、今の日本には必要なのかもしれません。


森本敏氏が示してくれた、実務と研究の両立、そして国民との対話という姿勢を胸に、私たちも日本の安全保障について考え続けていきたいものです。

平和は当たり前のものではなく、一人ひとりの理解と努力によって守られるもの。森本氏の人生が教えてくれる、そんな大切なメッセージを忘れずにいたいものです。


ここまで、時間を分けてくださり、ありがとうございます。
もし、まだ少しだけ余白が残っているなら。
もうひとつの視点を。


いづれかの言葉が、ゆっくり馴染みますように。
それぞれの一日を。


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