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【和田秀樹】80歳の壁を越えるための生き方を説いた老年精神医学の医師

赤ちゃんと愛犬 老いと社会を問い続ける著者たち
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「80歳を過ぎたら、我慢しない」──この明快なメッセージで日本中のシニア世代に勇気を与えたのが、和田秀樹(わだ・ひでき)氏です。1960年大阪生まれ、東京大学医学部卒業後、高齢者専門の精神科医として30年以上にわたり、延べ6,000人以上の高齢者医療に従事してきました。2022年刊行の『80歳の壁』は総合ベストセラー第1位に輝き、100万部を超える大ヒット。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖値は下げなくていい」「ボケることは怖くない」など、従来の医学常識を覆す提言は、多くの高齢者とその家族に「老いを楽しむ」という新しい視点を示しました。

和田氏の特筆すべきは、高齢者専門の総合病院である浴風会病院で35年間勤務し、2,000件以上の病理解剖に立ち会った経験です。85歳以上では、ほぼ全例でアルツハイマー型変性所見が認められたという事実から、「認知症は老化現象であり、誰にでも起こりうる」という視点を確立。恐れるのではなく、受け入れながら豊かに生きる方法を説いてきました。現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長、立命館大学生命科学部特任教授として、精神医療と教育の両面で活躍しています。

また、和田氏は受験指導の世界でも知られています。1987年刊行の『受験は要領』は大ヒットし、「緑鐡受験指導ゼミナール」では毎年無名校から東大合格者を輩出。映画監督としても『受験のシンデレラ』でモナコ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、多才な活動を展開してきました。これまでに出版した著書は900冊を超え、その旺盛な執筆活動は驚異的です。「人生100年時代」「健康寿命」「幸齢者(こうれいしゃ)」といったキーワードで、現代日本が直面する超高齢社会の課題に、具体的な解決策を示し続けている稀有な存在といえるでしょう。

和田秀樹氏の基本情報

  • 氏名(ふりがな): 和田秀樹(わだ・ひでき)
  • 生年月日: 1960年6月7日、大阪府大阪市生まれ
  • 学歴: 東京大学医学部医学科卒業
  • 経歴: 東京大学医学部附属病院精神神経科・老人科・神経内科研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科(35年間勤務)を経て現職
  • 現職: 和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問、立命館大学生命科学部特任教授、一橋大学経済学部非常勤講師、国際医療福祉大学大学院教授、幸齢党党首
  • 専門: 老年精神医学、精神分析、臨床心理学、老年心理学、森田療法
  • 紹介文: 高齢者専門の精神科医として30年以上にわたり、延べ6,000人以上の高齢者医療に従事。2022年刊行の『80歳の壁』は総合ベストセラー第1位、100万部超の大ヒット。「老いを我慢せず、好きなように生きる」という明快なメッセージで、超高齢社会を生きるすべての世代に希望を与えている。著書900冊超、受験指導者、映画監督としても活躍する多才な人物。

80歳の壁という概念を生み出した医療現場での経験

和田秀樹氏が「80歳の壁」という概念を提唱した背景には、高齢者専門の総合病院である浴風会病院での35年間の勤務経験があります。同病院は老人医学の研究施設として開設され、和田氏は延べ6,000人以上の高齢者を診察し、2,000件以上の病理解剖に立ち会いました。その中で明らかになったのは、85歳以上では、ほぼ全例でアルツハイマー型変性所見が認められるという衝撃的な事実でした。

日本人の健康寿命は男性72.7歳、女性75.4歳。しかし平均寿命は男性82歳、女性88歳。この約10年間のギャップが、多くの人にとって「寝たきり」や「要介護」の期間となっています。和田氏が臨床現場で見てきたのは、80歳を境に急激に衰える人々でした。しかし、興味深いことに、82~83歳で急激に衰える人の多くは、「80歳になったのを機に、いろいろなことをやめてしまった人」だったのです。

ここに和田氏の重要な洞察があります。老化に「抗う」のではなく、老いを「受け入れる」。しかし、「受け入れる」とは「諦める」ことではありません。むしろ、無理な我慢をやめて、好きなことを楽しむ。食べたいものを食べ、興味のあることに挑戦し続ける。そうすることで、心身ともに活性化され、80歳の壁を楽に超えることができる。この逆説的とも思える提言が、多くのシニア世代の心を捉えたのです。和田氏自身も60代半ばを迎え、自らの体験も踏まえながら、「明日死んでも後悔しない生き方」を説いています。

我慢をやめることが長寿の秘訣という発想の転換

和田氏の提言で最も衝撃的なのは、「80歳を過ぎたら我慢しない」という明快なメッセージです。『80歳の壁』の帯には「食べたいものを食べお酒も飲んでいい」「血圧・血糖値・コレステロール値は下げなくていい」「ガンは切らない方がいい」「運転免許は返納しなくていい」といった、従来の医学常識を覆すキャッチコピーが並んでいます。これは単なるセンセーショナリズムではありません。

和田氏が臨床現場で見てきたのは、健康のために粗食を続けた結果、栄養失調で体力が落ちた高齢者。血圧を下げる薬を飲み続けた結果、めまいや転倒のリスクが高まった高齢者。ガンの手術を受けた結果、体力が落ちて別の病気で亡くなった高齢者たちでした。つまり、若い頃には正しかった「健康法」が、80歳を過ぎると逆効果になることがあるのです。和田氏はこれを「医者が悪いのは、個人差があることを認めないところ」と厳しく指摘します。

特に重要なのが「三つのムリをやめる」という提言です。(1)効いている実感がないのに薬を飲み続けること、(2)健康のため、がんにならないためといって、食べたいものを我慢すること、(3)興味はあるのに、年だからといって我慢すること。これらの我慢は、「本当はしてはいけない我慢や無理」だと和田氏は断言します。実際、肉にはセロトニン(幸せホルモン)の材料となるトリプトファンが含まれており、高齢者こそ肉を食べるべきだと説いています。また、やや肥満の人が一番長生きするというデータもあり、従来の「痩せている方が健康」という常識も見直しが必要だと指摘しています。この発想の転換が、多くの高齢者を心理的な重圧から解放したのです。

幸齢者という新しい高齢者像の提唱

和田氏が提唱する「幸齢者(こうれいしゃ)」という言葉は、単なる言葉遊びではありません。「高齢者」を「幸せに年を重ねる人」と読み替えることで、老いに対する社会のネガティブなイメージを転換しようという試みです。実際、世界中の調査で、人生の幸せのピークは82歳だという結果が出ています。つまり、人は齢を取れば取るほど幸せになるようにできているのです。

では、なぜ多くの人が「老い」をネガティブに捉えるのでしょうか。和田氏は、それが「我慢」と「諦め」に縛られているからだと指摘します。「もう年だから」と興味のあることを諦める。「健康のために」と好きなものを我慢する。「人に迷惑をかけないように」と外出を控える。こうした自己規制の積み重ねが、心身を弱らせ、不幸を招くのです。逆に、好きなことをして、新しいことに挑戦し、人との交流を楽しむ高齢者は、心身ともに活性化されます。

和田氏が提案する「幸齢者」の生き方は、脳科学的にも裏付けられています。年齢を重ねると脳の海馬や前頭葉が委縮し、行動意欲が低下します。しかし、行動しないと余計委縮が進行し、悪循環に陥ります。逆に、好きなことをして脳を刺激し続けることで、新しい神経ネットワークが構築され、認知機能の低下を遅らせることができます。「脳トレばかりしていないで好きなことをする」という和田氏の提言は、まさにこの脳科学の知見に基づいています。人生最大の財産は「思い出」であり、残せるお金があるなら「思い出」のために使おうという勧めも、QOL(生活の質)を重視した温かな助言といえるでしょう。

認知症との向き合い方を変える視点

和田氏のもう一つの重要な貢献は、認知症に対する社会の見方を変えたことです。浴風会病院での2,000件以上の病理解剖の経験から、和田氏は「認知症は病気というよりも老化現象に近いもので、歳をとることでだれにでも起こる症状」だと結論づけました。つまり、認知症の発症を完全に防ぐことはできないが、進行を遅らせることは可能なのです。

和田氏が強調するのは、「認知症になっても生きる力と知恵は最後まで残る」という事実です。記憶力が衰えても、感情は豊かに残ります。新しいことは覚えられなくても、昔の思い出は鮮明です。そして何より、人との温かな交流を喜ぶ心は失われません。和田氏は「認知症への誤解。思い込みがみんなを不幸にする」と警鐘を鳴らします。家族が「もう何もわからない」と決めつけることで、本人の尊厳が損なわれ、症状が悪化することすらあるのです。

また、和田氏は認知症予防として、新しいことに挑戦し続けることを勧めています。毎日同じことの繰り返しではストレスが多く、脳の働きが鈍くなります。脳に刺激を与えて活性化させるためには、新しいことや好きなことに積極的にチャレンジし、楽しく生きることが重要です。最近ではシニアの推し活が注目されており、和田氏も『シニアは「推し活」こそが人生を変える』を刊行。推しのサッカー選手ができて周囲との会話が活発になった90代女性など、具体例を紹介しています。年齢を理由に諦めず、心をときめかせるものを持ち続けること。それが認知症の進行を遅らせ、幸齢者としての人生を豊かにする鍵なのです。


ここで一度、目と気持ちをリフレッシュ


現代社会での応用と実践

和田秀樹氏の提言は、2026年の今、ますます重要性を増しています。2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となり、日本は本格的な超高齢社会を迎えました。医療費の増大、介護人材の不足、孤独死の増加など、課題は山積しています。しかし、和田氏の視点は、こうした「問題」を「可能性」に変える力を持っています。

まず、医療との向き合い方です。和田氏は「幸齢者になったら健康診断はしなくていい」と提言します。これは医療を否定しているのではなく、不必要な検査や治療が高齢者のQOLを下げることへの警鐘です。症状がないのに「数値が悪い」と薬を処方され、副作用に苦しむ高齢者は少なくありません。和田氏は「医療の自己決定」の重要性を説き、自分の体と相談しながら、本当に必要な医療だけを受けることを勧めています。これは、現代の患者中心の医療の考え方とも合致します。

次に、働き方です。和田氏は『定年後の超・働き方改革』で、60代は引く手あまたであり、警備員、管理人、清掃員、介護職など、シニアこそ求められる仕事があると指摘します。「夢の年金生活」は夢でしかなく、好きなことを仕事にして収入を得る楽しい老後は実現可能だと説いています。これは、人生100年時代における新しい働き方のモデルといえるでしょう。また、『AIを賢く利用して老後を図々しく生きる』では、AIが高齢者の生活をサポートする未来を描いています。道に迷っても、薬を飲む時間を忘れても、うまく話せなくても、AIがサポートしてくれる。長生きするのが楽しくなる時代は、すぐそこまで来ているのです。

さらに、和田氏は高齢者の孤独問題にも取り組んでいます。『”ひとりの老後”には「高田純次マインド」が不可欠!』では、伴侶を亡くした後の寂しさや不安に対して、マインド・リセットが有効だと説いています。「せっかくのひとり」を楽しむ方向にシフトチェンジする。「ひとりお笑い」や「弁護士ごっこ」など、ユーモアあふれる提案は、悲しみに沈む人々に笑顔を取り戻させます。また、「人の死を悲しみすぎると病気になる」という指摘も重要です。高齢夫婦が立て続けに亡くなるのは、悲しみが免疫機能を低下させるからだと、医学的根拠を示しています。正しい死との向き合い方を学ぶことも、幸齢者として生きるための大切な知恵なのです。

代表書籍5冊紹介

1. 『80歳の壁』(幻冬舎新書、2022年)

2022年総合ベストセラー第1位、100万部超の大ヒット作。「80歳を過ぎたら我慢しない」という明快なメッセージで、日本中のシニア世代に勇気を与えました。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖値は下げなくていい」「ガンは切らない」「ボケることは怖くない」など、従来の医学常識を覆す提言が満載。高齢者専門の精神科医として35年間、延べ6,000人以上を診てきた経験から導き出された、80歳の壁を楽に超える方法が具体的に示されています。「幸齢者」という言葉も印象的で、老いを楽しむという新しい価値観を提示した名著です。

2. 『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書、2021年)

70代をどう過ごすかが、その後の人生を大きく左右するという視点から、老化の分かれ道となる70代の過ごし方を具体的に解説。脳の老化、体の老化、心の老化、それぞれにどう対処すればよいのか、医学的根拠に基づいた提言が満載です。「70代からは楽で楽しい道を選べ」「笑顔で死んでいく高齢者、悔いが残る高齢者の決定的違い」など、和田氏らしい明快なメッセージが心に響きます。『80歳の壁』と合わせて読むことで、人生後半をどう生きるかの全体像が見えてくる一冊です。

3. 『老いの品格』(PHP新書、2017年)

高齢者専門の精神科医として長年患者と向き合ってきた和田氏が、誰も見舞いに来てくれない元大企業幹部の患者を見て、考え方や生き方を変えたというエピソードから始まる一冊。それまでは医学界での名誉を求めていたが、本当に自分のやりたいことは何かを考え直したといいます。年を重ねるにつれて大切になる「人に愛される力」「感謝される力」「人を許す力」など、品格ある老後を送るための知恵が詰まっています。人生後半で必ず後悔する人の共通点は「いつかやりたい」と先延ばしすること。今を大切に生きることの重要性を説いた名著です。

4. 『ぼけの壁』(幻冬舎新書、2023年)

『80歳の壁』の続編として刊行され、認知症との向き合い方を徹底解説した一冊。浴風会病院での2,000件以上の病理解剖の経験から、認知症は老化現象であり、誰にでも起こりうることを明らかにしています。「認知症になっても生きる力と知恵は最後まで残る」という希望のメッセージと、認知症の進行を遅らせる具体的な方法が示されています。家族の対応次第で症状が大きく変わることも指摘し、認知症の人の尊厳を守る介護のあり方を提案。認知症への恐怖を和らげ、前向きに受け止める視点を与えてくれる必読書です。

5. 『老いたら好きに生きる 健康で幸せなトシヨリになるために続けること、始めること、やめること』(毎日新聞出版、2024年)

高齢者専門の精神科医として、心と体の結びつきを長年研究してきた和田氏が、健康で幸せな老後を送るための具体的な方法を解説。うつ病になるとNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が半分程度に下がり、がんのリスクが高まることなど、メンタルヘルスと身体の健康の関係を医学的に説明しています。朝のベスト習慣、ストレスフリーに生きる方法、食べることの大切さなど、実践的なアドバイスが満載。「老いたら好きに生きる」というタイトル通り、自分らしく楽しく生きることの重要性を力強く説いた一冊です。

まとめ

和田秀樹氏は、高齢者専門の精神科医として30年以上にわたり、延べ6,000人以上の高齢者医療に従事し、その経験から「80歳の壁」という概念を生み出しました。2022年刊行の『80歳の壁』は総合ベストセラー第1位、100万部超の大ヒットとなり、「老いを我慢せず、好きなように生きる」という明快なメッセージで、日本中のシニア世代に勇気を与えています。

和田氏の提言の核心は、「80歳を過ぎたら我慢しない」という発想の転換です。若い頃には正しかった健康法が、80歳を過ぎると逆効果になることがある。食べたいものを我慢せず、興味のあることに挑戦し続けることで、心身ともに活性化され、80歳の壁を楽に超えることができる。この逆説的とも思える提言は、医学的根拠に裏付けられた、実践的な知恵です。

また、「幸齢者(こうれいしゃ)」という言葉に象徴されるように、和田氏は老いに対する社会のネガティブなイメージを転換しようとしています。世界中の調査で、人生の幸せのピークは82歳だという結果が出ており、人は齢を取れば取るほど幸せになるようにできているのです。認知症についても、「老化現象であり、誰にでも起こりうる」と捉え直すことで、恐怖を和らげ、尊厳ある生き方を提案しています。

2025年に団塊の世代がすべて75歳以上となり、日本は本格的な超高齢社会を迎えました。医療費の増大、介護人材の不足、孤独死の増加など、課題は山積しています。


和田氏の視点は、こうした「問題」を「可能性」に変える力を持っています。900冊を超える著書、受験指導者、映画監督としての多才な活動を通じて、和田氏は人生100年時代をどう生きるかの道しるべを示し続けています。

その温かく、ユーモアあふれるメッセージは、これからも多くの人々に希望と勇気を与え続けることでしょう。


ここまで、時間を分けてくださり、ありがとうございます。
もし、まだ少しだけ余白が残っているなら。
もうひとつの視点を。


いづれかの言葉が、ゆっくり馴染みますように。
それぞれの一日を。


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