「1日16時間は何も食べない」――この シンプルなルールで、40万部を超えるベストセラーを生み出した医師がいます。青木厚は、あおき内科・さいたま糖尿病クリニックの院長として、糖尿病患者の治療にオートファジー研究を元にした食事術を取り入れ、インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功するなど、画期的な成果を挙げています。
2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典東工大栄誉教授のオートファジー研究から着想を得た青木の食事法は、「何を食べるか」ではなく「食べない時間を増やす」というもの。睡眠時間を上手に組み合わせて16時間の空腹時間を作るだけで、細胞内の悪いタンパク質や病原菌が除去され、全身の細胞が修復されるのです。
自身も40歳の時に舌がんを患いながらも完治し、16時間断食を実践してがんの再発を防いでいる青木。2019年に出版した『「空腹」こそ最強のクスリ』は、テレビ番組「それって実際どうなの課!?」「ぽかぽか」などで取り上げられ、大きな反響を呼びました。医学的エビデンスに基づいた確かな方法で、多くの人々の健康と人生を変え続けているのです。
青木厚 基本情報
- 氏名(ふりがな):青木 厚(あおき あつし)
- 生年月日:1974年生まれ
- 学歴:2002年福井医科大学(現 福井大学)医学部卒業、2014年自治医科大学大学院医学研究科卒業(医学博士)
- 経歴:長野赤十字病院、川崎市立川崎病院内科、自治医科大学附属さいたま医療センター総合診療科・内分泌代謝科
- 現職:あおき内科・さいたま糖尿病クリニック理事長・院長
- 専門:糖尿病、内分泌代謝、生活習慣病、がん代謝、予防医学
- 思想:16時間断食、オートファジー活性化、薬を減らす治療、インスリン離脱、患者中心のオーダーメイド医療
- 概要:糖尿病専門医としてインスリン離脱やクスリを使わない治療に成功。2016年ノーベル賞受賞のオートファジー研究から着想を得た「16時間断食」を提唱。著書『「空腹」こそ最強のクスリ』は40万部超のベストセラーとなり、テレビ・雑誌などメディアでも活躍。日本内科学会総合内科専門医、日本内分泌学会専門医、日本糖尿病学会専門医・研修指導医。40歳で舌がんステージⅠを経験し完治。自ら16時間断食を実践してがんの再発予防に努めている。
舌がんから学んだ生きることの意味
青木厚の人生観は、40歳の時に大きく変わりました。「自分は死ぬのではないか…」――舌がんステージⅠの告知を受けた青木が味わった恐怖は、言葉では言い尽くせないものでした。医師として多くの患者を診てきた青木でしたが、自分が患者になった時、初めて病の恐怖を身をもって体験したのです。医師と患者、この二つの立場を経験したことが、青木の医療哲学の根幹となりました。
我を忘れて診療と研究に没頭していた日々。病は突然やってきました。しかし、適切な治療を受けることで治癒を得た青木は、この経験を無駄にしませんでした。むしろ、患者の気持ちを理解できる医師として、より深い共感をもって患者に接するようになったのです。自分が経験した死の恐怖、治療への不安、再発への心配――これらすべてを糧に、青木は患者一人ひとりに寄り添う医療を実践しています。
がんを克服した後、青木が取り組んだのは、がんの再発予防でした。そして出会ったのが、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典東工大栄誉教授のオートファジー研究でした。オートファジーとは、細胞が自らの一部を分解してリサイクルする仕組みのこと。この自食作用によって、古くなった細胞や異常なタンパク質が除去され、細胞が新しく生まれ変わるのです。青木は、このオートファジーを活性化させる方法として、16時間断食を実践し始めました。そして自らの身体で効果を実感したのです。
16時間断食が起こす身体の奇跡
青木厚が提唱する16時間断食は、驚くほどシンプルです。1日のうち16時間は何も食べない。残りの8時間は好きなものを食べていい。ただこれだけです。たとえば、夜8時に夕食を終えたら、翌日の昼12時まで何も食べない。この16時間の空腹時間を作るだけで、身体に劇的な変化が起こります。
最初の10時間で、肝臓に蓄えられた糖がエネルギーとして使われます。そして10時間を過ぎると、脂肪が分解され始めます。さらに16時間を超えると、待望のオートファジーが活性化するのです。細胞内の古いタンパク質や異常なミトコンドリアが分解され、新しい細胞に生まれ変わる。これこそが究極のアンチエイジングであり、生活習慣病予防の鍵なのです。
青木のクリニックでは、糖尿病患者にこの16時間断食を取り入れ、驚くべき成果を上げています。インスリン注射が必要だった患者が、16時間断食を実践することで、インスリンから離脱できた例が多数あります。ヘモグロビンA1cが2%以上も下がった患者もいます。薬を減らし、インスリンに頼らない治療――これが青木が目指す糖尿病治療なのです。患者さんの経済的負担も減り、何より自分の力で健康を取り戻す喜びを感じられる。この治療法は、まさに患者中心の医療と言えるでしょう。
患者の声に耳を傾けるオーダーメイド医療
青木厚の診療の特徴は、患者の話をよく聞くことです。多少の時間はかかるかもしれませんが、患者の声に傾聴することを心がけています。特に糖尿病治療は長い目で見なければならないもの。時間をかけて生活習慣を改善していく必要があるため、治療や指導も患者のライフスタイルに合わせたオーダーメイド医療と考えているのです。
他院で治療を受けていた患者がセカンドオピニオンとして青木のクリニックを訪れることも少なくありません。中には、他の糖尿病専門クリニックにかかっていた患者が、青木のクリニックに来院したこともあります。話をじっくり伺うと、どのタイミングや時間帯で低血糖になっているかが見えてきます。薬の服用の仕方で症状が出てしまうこともわかるのです。そこを踏まえて治療方針を提案し、その患者に合った生活習慣改善と糖尿病治療にあたっていきます。
青木は「医師というものは職人」と考えています。かかる医師によって、患者のその後は大きく変わってくる。だからこそ、患者は自身の病態に合った適切な医師を選ぶことが大切だと説きます。同じ糖尿病専門医でも、治療方針は医師によって異なります。青木のクリニックでは、生活習慣の指導を徹底し、薬も整理してインスリンに頼らない糖尿病治療を目指しています。この姿勢が、多くの患者から支持される理由なのです。
山田邦子との対談で広がるがん予防の輪
2020年9月、青木厚は、がんサバイバーとして知られるタレント・山田邦子との対談を行いました。この対談は、「がんとのやさしい付き合い方」というテーマで、がんの予防や転移再発予防について語り合うものでした。山田邦子自身も乳がんを経験しており、がん患者の気持ちを深く理解しています。青木と山田、二人のがんサバイバーによる対談は、多くのがん患者に希望を与えました。
対談の中で青木は、オートファジーとがんの関係について詳しく解説しました。ただし、注意すべき点も明確に伝えています。それは、がん治療中の患者は16時間断食を避けるべきだということです。がん治療中にオートファジーが活性化すると、がん細胞が自分で栄養を作り出すため、生き残りやすくなってしまう可能性があるのです。そのため、抗がん剤や放射線治療中の患者は、必ず主治医に相談してほしいと青木は強調しました。
一方で、がんを克服した後の再発予防には、16時間断食が非常に効果的だと青木は説きます。実際、青木自身が舌がんを克服した後、16時間断食を実践し続けており、がんの再発を防いでいます。山田邦子との対談を通じて、青木は一人でも多くのがん患者に正しい知識を伝え、がんの予防と再発予防に貢献したいという思いを新たにしました。この対談は、医師と患者、専門家と当事者という立場を超えた、心温まる交流となったのです。
ここで一度、目と気持ちをリフレッシュ
現代社会に生きる16時間断食の実践
青木厚の16時間断食は、現代社会においてますます注目を集めています。特に、テレビ番組「それって実際どうなの課!?」や「ぽかぽか」で取り上げられたことで、多くの人が実践し始めました。「1日3食しっかり食べているのに、なぜか体がだるい、疲れている」という悩みを持つ現代人にとって、16時間断食は画期的な解決策となっているのです。
実践方法は非常にシンプルです。たとえば、朝食を抜いて昼12時から夜8時までの8時間で2食を食べる。または、夕食を早めに済ませて、翌日の昼まで何も食べない。睡眠時間を上手に組み合わせれば、無理なく16時間の空腹時間を作ることができます。そして残りの8時間は、好きなものを食べていい。お酒も、お肉も、スイーツも楽しめる。カロリー計算も不要。この自由度の高さが、多くの人に支持される理由です。
さらに、青木は「空腹20分運動」も推奨しています。16時間の空腹時間の最後、つまり何かを食べる20分前に軽い運動をする。この空腹時の運動が、脂肪燃焼を促進し、ダイエット効果を高めるのです。スクワットやウォーキングなど、簡単な運動で十分。この習慣を加えることで、16時間断食の効果はさらに高まります。現代人の多くが抱える肥満、糖尿病、高血圧、疲労といった悩みは、すべて食べ過ぎが原因です。青木の16時間断食は、これらの悩みを根本から解決する、科学的に正しい方法なのです。
青木厚 代表書籍5冊
1. 『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム、2019年)
青木厚の名を一躍有名にした大ベストセラー。40万部を超え、日本人の食生活に革命を起こした一冊です。ノーベル賞を受賞したオートファジー研究から生まれた、医学的に正しい食事術を解説。「1日16時間は何も食べない」というシンプルなルールで、細胞内の悪いタンパク質や病原菌が除去され、全身の細胞が修復される仕組みを詳しく説明しています。睡眠時間を上手に組み合わせれば、無理なく16時間の空腹時間を作ることができる。お酒も食べ物も好きなだけ食べられて、ストレスなく健康になれる――この革新的な方法は、テレビ番組でも何度も取り上げられ、大きな反響を呼びました。
2. 『新版 「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム、2024年)
『「空腹」こそ最強のクスリ』の文庫版として発売された新版。オリジナル版の内容をより読みやすく再編集し、最新の研究成果も追加されています。16時間断食を実践する際のQ&Aも充実しており、「いつまで続ければいいの?」「残りの8時間は本当に何を食べてもいいの?」といった疑問に丁寧に答えています。持ち運びしやすい文庫サイズで、通勤時間や移動中にも気軽に読める一冊。16時間断食を始めたい人、続けている人、どちらにもおすすめの決定版です。
3. 『内臓リセット健康法』(アスコム、2020年)
16時間断食の基本をマスターした人のための、さらに進んだ健康法を解説した一冊。内臓を休ませることで、全身の健康を取り戻す具体的な方法を提案しています。胃や腸などの内臓は、食べ物を消化・吸収するために常に働き続けています。しかし、4~6時間前に食べたものが胃や腸に残った状態では、内臓が疲弊してしまいます。内臓をリセットすることで、栄養の吸収が良くなり、疲労が回復し、免疫力も高まる――この内臓リセット健康法は、16時間断食の効果をさらに高める実践書です。
4. 『青木式 すごい「感冷」健康法』(新星出版社、2022年)
青木厚が提唱する新しい健康法「感冷」について解説した一冊。「感冷」とは、身体を適度に冷やすことで免疫力を高め、健康を促進する方法です。現代人は暖房や厚着で身体を温めすぎており、これが免疫力の低下につながっていると青木は指摘します。適度な寒冷刺激によって、褐色脂肪細胞が活性化し、代謝が上がり、免疫力も向上する。水風呂、冷水シャワー、薄着など、具体的な実践方法を紹介。16時間断食と組み合わせることで、さらなる健康効果が期待できる画期的な健康法です。
5. 『がんを克服した医師が教えるあきらめない生き方』(共著、2022年)
青木厚を含む、がんを克服した医師たちが、自らの体験と医学的知識をもとに綴った一冊。がんと診断された時の衝撃、治療の苦しみ、そして克服した喜び――医師であり患者でもあった立場から、率直に語られています。がんを克服するために何が必要か、どんな治療法があるのか、再発を防ぐために何ができるのか――医学的エビデンスに基づいた具体的なアドバイスが満載です。がんと闘う患者とその家族に、希望と勇気を与える一冊。青木の16時間断食によるがん再発予防の実践も詳しく紹介されています。
まとめ:空腹の力を信じて健康を取り戻す
青木厚は、40歳で舌がんステージⅠと告知され、死の恐怖を経験しました。しかし、適切な治療によってがんを克服し、その後は16時間断食を実践してがんの再発を防いでいます。医師として患者を診る立場と、患者として病と闘う立場、この二つの経験が、青木の医療哲学を形作りました。患者の気持ちを理解できる医師として、一人ひとりに寄り添う診療を実践しているのです。
青木が提唱する16時間断食は、2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典東工大栄誉教授のオートファジー研究から着想を得たものです。1日のうち16時間は何も食べない。残りの8時間は好きなものを食べていい。このシンプルなルールで、細胞内の古いタンパク質や異常なミトコンドリアが分解され、新しい細胞に生まれ変わる。これこそが究極のアンチエイジングであり、生活習慣病予防の鍵なのです。
青木のクリニックでは、糖尿病患者にこの16時間断食を取り入れ、インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功しています。ヘモグロビンA1cが2%以上も下がった患者もいます。薬を減らし、インスリンに頼らない治療――これが青木が目指す、患者中心のオーダーメイド医療なのです。
2019年に出版した『「空腹」こそ最強のクスリ』は40万部を超えるベストセラーとなり、テレビ番組「それって実際どうなの課!?」「ぽかぽか」などで取り上げられ、大きな反響を呼びました。16時間断食は、もはや一時的なブームではなく、科学的根拠に基づいた確かな健康法として定着しつつあります。
「医師というものは職人」と考える青木は、患者の話をよく聞き、その人のライフスタイルに合わせた治療を提供します。画一的な治療ではなく、一人ひとりに最適な方法を見つける。この姿勢が、多くの患者から支持される理由です。がんを克服した医師として、糖尿病専門医として、そして一人の人間として。
青木厚が示す16時間断食という健康法は、現代人の肥満、糖尿病、疲労、老化といった悩みを根本から解決する、希望の光なのです。
空腹の力を信じて、健康を取り戻す。青木のメッセージは、これからも多くの人々の人生を変え続けることでしょう。
ここまで、時間を分けてくださり、ありがとうございます。
もし、まだ少しだけ余白が残っているなら。
もうひとつの視点を。
いづれかの言葉が、ゆっくり馴染みますように。
それぞれの一日を。


