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【長谷部誠】心を整えることを実践し続けたサッカー日本代表キャプテン

赤ちゃんと愛犬 心の在り方を探求する著者たち
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ワールドカップに3大会連続で主将として出場し、日本代表のキャプテンマークを81試合にわたって巻き続けた男がいました。長谷部誠は、飛び抜けた身体能力やテクニックを持つわけではありませんでした。しかし、彼はあらゆる監督から信頼され、チームの中心として重宝され続けました。

その理由は、類まれなるメンタルコントロール力にありました。「心は鍛えるものではなく、整えるものだ」という独自の哲学を貫き、生活のリズム、睡眠、食事、読書に至るまで、心を乱すことを徹底的に排除し、常に安定した状態を保つ努力を続けました。2011年に出版した『心を整える。』は、東日本大震災の被災者支援のため印税全額を寄付すると発表し、スポーツ選手の著書として史上初のミリオンセラーとなりました。

40歳で現役を引退した後も指導者として歩み続け、2024年からは日本代表のコーチとして新たな使命を担っています。愚痴を言わず、群れず、自分を律し続けた長谷部の生き方は、サッカーの枠を超えて、すべての人に深い示唆を与え続けているのです。

長谷部誠 基本情報

  • 氏名(ふりがな):長谷部 誠(はせべ まこと)
  • 生年月日:1984年(昭和59年)1月18日〜
  • 学歴:静岡県立藤枝東高等学校卒業
  • 経歴:浦和レッズ(2002-2008)、ヴォルフスブルク(2008-2013)、ニュルンベルク(2013-2014)、フランクフルト(2014-2024)
  • 現職:フランクフルトU-21アシスタントコーチ、サッカー日本代表コーチングスタッフ
  • 専門:サッカー、メンタルコントロール、リーダーシップ
  • 思想:心を整える哲学、組織の穴を埋める、群れない、愚痴を言わない
  • 概要:元サッカー日本代表主将。2006年から2018年まで日本代表に選出され続け、ワールドカップ3大会連続でキャプテンとして出場(歴代1位の81試合)。2011年アジアカップ優勝。ブンデスリーガでは外国籍選手として歴代3位の出場記録を持つ。2011年に出版した『心を整える。』は150万部を超えるミリオンセラーとなり、印税全額を東日本大震災支援に寄付。22年間の現役生活を通じて、「心を整える」という独自のメンタルコントロール術を確立し、多くのアスリートやビジネスパーソンに影響を与えた。

愚痴を言わず前を向き続けた22年

長谷部誠の選手生活は、決して華々しいものばかりではありませんでした。ドイツのヴォルフスブルクに移籍した当初、フェリックス・マガト監督の下で右サイドバックという慣れないポジションを任されました。本来はボランチや攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーしてきた長谷部にとって、これは大きな試練でした。しかし、長谷部は愚痴をこぼすことなく、与えられた役割を全力でこなしました。

「愚痴というのは一時的な感情のはけ口になって、ストレス解消になるのかもしれないけれど、あまりにも安易な解決策だ。何も生み出さないし、まわりで聞いている人の気分も良くない」――長谷部はこう語っています。愚痴を言うくらいなら、その時間を使って問題と向き合い、どうすれば改善できるかを考える。この姿勢が、長谷部を40歳まで第一線で活躍できる選手へと押し上げたのです。

ニュルンベルク時代には、チームが2部降格という苦境に陥りました。しかし、長谷部は腐ることなく、むしろチームのために何ができるかを考え続けました。「組織の穴を埋める」――これは長谷部が常に意識してきたことです。チームが求めている役割を敏感に察知し、自分がそこに入ることで全体のバランスを整える。自己主張の強いフットボールプレイヤーが多い中で、この姿勢こそが長谷部を稀代のバランサーにしたのです。私たちも職場や家庭で、「自分がどう見られるか」ではなく「組織に何が必要か」を考える視点を持つことで、周囲から信頼される存在になれるのではないでしょうか。

心を整える独自のメンタル術

長谷部誠の最大の武器は、「心を整える」という独自のメンタルコントロール術でした。多くの人は、心は「鍛えるもの」「強くするもの」と考えますが、長谷部は違いました。心は「整えるもの」――日々の生活から心に有害なことをしないように気をつけ、少しでも乱れたら自分で整える。この考え方が、いかなる試合でも、いかなる場面でも揺らぐことなく、ピッチで力が発揮できる秘訣だったのです。

具体的には、生活のリズムを一定に保つこと、良質な睡眠を確保すること、栄養バランスの取れた食事を摂ること、整理整頓された環境を保つこと――これらすべてが「心を整える」ための習慣でした。長谷部は一人サウナや一人温泉を好み、自分だけの時間を大切にしました。また、寝る前にはリラックスできる音楽を聴き、アロマを焚く。こうした小さな習慣の積み重ねが、試合での平常心につながったのです。

興味深いのは、長谷部が「最悪のケースを想定する」ことを習慣にしていたことです。これは悲観主義ではなく、「何が起きてもそれを受け止める覚悟がある」という決心を固める作業でした。現代社会は不確実性に満ちています。仕事でも家庭でも、予期せぬことが起こります。そんな時、長谷部のように最悪のケースを想定し、それでも前に進む覚悟を持つことができれば、私たちは動揺することなく冷静に対処できるのです。このメンタルコントロールの手法は、現代のマインドフルネスにも通じる考え方と言えるでしょう。

キャプテンとして貫いた誠実なリーダーシップ

2010年の南アフリカワールドカップ以降、長谷部は日本代表のキャプテンとして、81試合にわたってチームを率いました。しかし、長谷部のリーダーシップは、声高に檄を飛ばすタイプではありませんでした。彼が大切にしたのは、「正論を振りかざさない」ことでした。正義感が強すぎて、真面目すぎると、かえって周囲を締め付けてしまう――長谷部はそう考えていました。

代わりに長谷部が実践したのは、「誠を意識する」ことでした。祖父が「誠」と名付けてくれたこの名前に、長谷部は深い意味を感じていました。誠実であること、嘘をつかないこと、約束を守ること――当たり前のことを当たり前に実践する。この姿勢が、チームメイトからの信頼を得る基盤となりました。本田圭佑や香川真司といった個性の強い選手たちをまとめ上げることができたのも、この誠実さがあったからこそです。

また、長谷部は「群れない」ことを大切にしていました。いつも同じメンバーで固まるのではなく、時には一人の時間を持ち、様々な人と交流する。この姿勢が、長谷部に広い視野と柔軟な思考をもたらしました。現代社会では、SNSでつながり続けることが当たり前になっていますが、長谷部の「群れない」哲学は、自分自身をしっかり持つことの大切さを教えてくれます。一人の時間を大切にし、自分と向き合うことで、私たちはより強く、より柔軟になれるのです。

本田圭佑との絆が深めたチームの結束

長谷部誠と本田圭佑――性格も考え方も対照的な二人でしたが、日本代表では強い信頼関係で結ばれていました。本田は自己主張が強く、リーダーシップを発揮するタイプ。一方の長谷部は、静かにチームを支えるタイプ。しかし、この二人の異なる個性が、チームに絶妙なバランスをもたらしたのです。

2014年のブラジルワールドカップでは、チーム状態が悪く、内部にも不協和音がありました。しかし、長谷部と本田は互いの立場を尊重し合い、チームのために何ができるかを常に考えていました。長谷部は「視線をフラットに保つ」ことを大切にしていました。上から目線でもなく、下手に出るのでもなく、誰に対しても対等な立場で接する。この姿勢が、本田をはじめとする強い個性を持つ選手たちとの良好な関係を築く基盤となったのです。

また、長谷部は香川真司、岡崎慎司、吉田麻也といった仲間たちとも深い絆を育みました。ドイツで長くプレーした長谷部は、海外組の選手たちにとって頼れる先輩であり、良き相談相手でした。チームワークとは、仲良しグループを作ることではなく、互いの個性を認め合い、それぞれの強みを活かすこと――長谷部のリーダーシップは、この真理を体現していたのです。


この先に進む前に、ほんの一息


現代社会に生きる長谷部哲学の実践

長谷部誠の「心を整える」哲学は、現代社会においてますます重要性を増しています。情報過多で、常にスマートフォンから離れられない現代人にとって、心を整える時間を意識的に作ることは必須です。長谷部が実践していた「一人の時間を持つ」「寝る前にリラックスする」「整理整頓を心がける」といった習慣は、誰でも今日から始められることです。

また、「愚痴を言わない」という教えは、現代のポジティブ心理学とも通じるものがあります。ネガティブな言葉を発することは、自分の心をさらに乱すだけでなく、周囲の人間関係にも悪影響を及ぼします。問題と向き合い、解決策を考える――この前向きな姿勢こそが、困難を乗り越える力になるのです。

さらに、長谷部が説く「組織の穴を埋める」という考え方は、現代のチームワークにおいて非常に重要です。自分の役割だけをこなすのではなく、チーム全体を見渡し、必要なところに柔軟に対応する。この柔軟性貢献意識は、変化の激しい現代社会で求められる資質です。私たちも日々の仕事や生活の中で、「今、自分ができることは何か」を問い続けることで、周囲から信頼され、必要とされる存在になれるのです。長谷部が子どもたちに伝えた「考える力」「行動する力」「継続する力」という三つの力は、年齢を問わず、すべての人が身につけるべき普遍的な能力なのです。

長谷部誠 代表書籍5冊

1. 『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』(幻冬舎、2011年)

スポーツ選手の著書として史上初のミリオンセラーとなった名著。27歳の長谷部が、日本代表キャプテンとして培ってきたメンタルコントロール術を56の習慣として公開しました。「心は鍛えるものではなく、整えるもの」という独自の哲学のもと、生活のリズム、睡眠、食事、整理整頓、人間関係に至るまで、心を乱さないための具体的な方法が綴られています。東日本大震災の直後に発売され、印税全額を被災者支援に寄付すると発表したことも話題となり、最終的には150万部を超えるベストセラーに。サッカーファンだけでなく、ビジネスパーソン、学生、主婦と幅広い層に読まれ続けている永遠の自己啓発書です。

2. 『察知力』(幻冬舎、2012年)

『心を整える。』に続く第二弾として出版された一冊。長谷部が「察知力」と名付けた能力――状況を素早く察知し、的確に判断する力について詳しく解説しています。サッカーのピッチ上で一瞬のうちに状況を読み取り、最適なプレーを選択する。この能力は、ビジネスや日常生活においても非常に重要です。相手の気持ちを察する、空気を読む、先を予測する――これらのスキルを高めるための具体的な方法が、長谷部の経験をもとに語られています。人間関係を円滑にし、仕事の効率を上げるための実践的な知恵が満載の一冊です。

3. 『覚悟の磨き方 超訳吉田松陰』(サンクチュアリ出版、2013年)

長谷部誠が尊敬する歴史上の人物、吉田松陰の言葉を現代語訳し、自身の体験と重ね合わせて解説した異色の一冊。松陰の「志」「学び」「友」「死生観」といったテーマを、長谷部なりの解釈で読み解いています。「志を立てることから、すべてが始まる」「学びとは、真似ることから始まる」――松陰の教えと長谷部の実践哲学が見事に融合した内容です。歴史書でありながら、現代を生きる私たちへの実践的なメッセージが込められた、読みやすく心に響く一冊となっています。

4. 『心に野性を ―フォイアープファイル―』(大和書房、2019年)

フランクフルトで5シーズン目を迎えた長谷部が、35歳という年齢で感じた「野性」の重要性について語った一冊。年齢を重ねても第一線で活躍し続けるために必要なのは、計算された動きだけではなく、時には野性的な直感や勇気だと長谷部は説きます。ドイツ語で「情熱」を意味する「Feuer(フォイアー)」と、「矢」を意味する「Pfeil(プファイル)」を組み合わせた造語「Feuerpfeil(フォイアープファイル)」――燃える矢のように、情熱を持って目標に突き進む姿勢の大切さを、長谷部の経験をもとに綴っています。

5. 『思考の整理 オレは何を考えている?』(マガジンハウス、2016年)

長谷部誠の「考える力」に焦点を当てた一冊。サッカー選手としてだけでなく、一人の人間として、日々何を考え、どう判断しているのかを率直に語っています。「なぜ遅刻をしてはいけないのか」「なぜ読書が大切なのか」「なぜ整理整頓が必要なのか」――当たり前と思われることの本質を、長谷部なりに深く考察。思考を整理することで、心も整い、行動も変わる。この循環の大切さを、具体的なエピソードとともに解説した、長谷部哲学の集大成とも言える内容です。

まとめ:誠実に心を整え続けた22年の軌跡

長谷部誠は、飛び抜けた身体能力やテクニックを持たない選手でした。しかし、22年間の現役生活を通じて、日本代表のキャプテンとして3度のワールドカップに出場し、ドイツのブンデスリーガで外国籍選手として歴代3位の出場記録を残しました。その原動力となったのは、「心を整える」という独自のメンタルコントロール術でした。心は鍛えるものではなく、整えるもの――この哲学を貫き、生活のリズム、睡眠、食事、読書、整理整頓に至るまで、心を乱さない習慣を積み重ねていきました。

「愚痴を言わない」「群れない」「組織の穴を埋める」「誠を意識する」――長谷部が実践してきたこれらの習慣は、サッカーの枠を超えて、現代社会を生きるすべての人に通じる普遍的な知恵です。愚痴を言うくらいなら問題と向き合う、一人の時間を大切にする、チーム全体を見渡して必要なことをする、常に誠実であり続ける――これらのシンプルながら深い教えは、私たちの日常生活やビジネスシーンにおいても実践できるものばかりです。

2011年に出版した『心を整える。』は、東日本大震災の被災者支援のため印税全額を寄付すると発表し、スポーツ選手の著書として史上初のミリオンセラーとなりました。この本は、サッカーファンだけでなく、あらゆる年代、あらゆる職業の人々に読まれ、多くの人の人生に影響を与え続けています。長谷部の言葉は、押しつけがましくなく、淡々と誠実に語られるからこそ、読む者の心に深く染み込むのです。


40歳で現役を引退した後も、長谷部は指導者としての道を歩み始めました。フランクフルトU-21のアシスタントコーチとして、そして2024年からは日本代表のコーチングスタッフとして、新たな使命を担っています。子どもたちに伝える「考える力」「行動する力」「継続する力」という三つの力は、

長谷部自身が22年間実践し続けてきたことでした。今もなお週5回、10キロを走り続ける長谷部の姿には、自分を律し続けることの大切さが表れています。

心を整え、誠実に生きる――長谷部誠が示したこの道は、時代を超えて、私たちに勇気と希望を与え続けることでしょう。


ここまで、時間を分けてくださり、ありがとうございます。
もし、まだ少しだけ余白が残っているなら。
もうひとつの視点を。


いづれかの言葉が、ゆっくり馴染みますように。
それぞれの一日を。


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