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一年を締めくくる大晦日、除夜の鐘が鳴るたびに、今年の自分を静かに手放せた気がした

夫婦と愛犬 季節を感じる暮らしとエッセイ
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大晦日の夜、静かに響く除夜の鐘。その音色に耳を傾けながら、一年を振り返り、新しい年への願いを込める。除夜の鐘は、心を清め、新年を迎える大切な儀式だ。この伝統について考えてみたい。


大晦日のことを除日(じょじつ)といい、その夜に行うため「除夜の鐘」と呼ばれる。「除」という言葉には古いものを捨て新しいものに移るという意味があり、心穏やかに新年を迎えようという願いが込められている。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれるが、この「108」という数の由来については複数の説がある。最も広く知られているのは、人間の煩悩の数が108あるという説だ。煩悩とは、自分の内側にある自分自身を苦しめる心のことで、特に厄介なのが「三毒の煩悩」と呼ばれる貪欲(とんよく)・瞋恚(しんい)・愚痴(ぐち)だという。

除夜の鐘の歴史は古く、中国の宋代の禅宗寺院の習慣に由来するとされる。日本でも禅寺で鎌倉時代以降にこれに倣って朝夕に鐘が撞かれたが、室町時代には大晦日から元旦にかけての除夜に欠かせない行事になった。禅寺では年の変わり目に鬼門(北東方向)からの邪気を払うために行われていたとされる。除夜の鐘は、単なる年越しの合図ではなく、心を清め新たな気持ちで新年を迎えるための大切な儀式なのだ。

2025年から2026年にかけての年末年始、全国の寺院で除夜の鐘が鳴り響く。東京の築地本願寺や西新井大師總持寺、京都の誓願寺や智積院、奈良の東大寺鐘楼など、約120件の寺院で除夜の鐘をつく体験ができる。多くの寺院では一般参加が可能で、自分の手で鐘を撞くことができる。近年は「除夕の鐘」といって、夕方に鐘をつく寺院も増えている。これは、近隣への騒音配慮や、小さな子どもがいる家庭でも参加しやすくするためだ。形は変わっても、除夜の鐘に込められた願いは変わらない


あなたは除夜の鐘を聞きながら、この一年をどう振り返りますか?新しい年にどんな願いを込めますか?

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